夏はフランス南部で容赦のない顔を見せている。巨大な山火事が Pyrénées-Orientales、Gard、Hérault の各地域を脅かしている。多くの場所で小さな出火に過ぎなかったものが、短時間のうちに救助隊と住民を同様に限界まで追い詰める大災害へと発展した。
特に Trévillach(ピレネー=オリアンタル)周辺の状況は深刻だ。そこでは炎がすでに約4,500ヘクタールの植生を焼き尽くした。風景は所々黒い月面のようだ。数日前まで密生していた森林や低木地帯があった場所には、今や炭化した木の幹が空にそびえている。
自然が消防隊にとって厄介な状況を作り出している。強いトラモンターナ(Tramontane)の風が何度も火を煽り、異常な高温と数か月続く乾燥があらゆる火花を危険に変えている。一つの火元が制御されたと思われるや否や、数メートル先で新たな炎が再び上がる。救助隊にとってそれはまさに骨の折れる仕事だ。
人的被害も深刻だ。住民1人と消防士1人が重傷を負い、命を懸けて闘っている。さらに数名の消防士が消火活動中に軽傷を負った。彼らは数日間ほとんど休みなく働いており、しばしば経験豊富な要員でさえ限界に達するような状況下に置かれている。
安全上の理由から、当局は合計26の自治体で約1万人の避難を命じた。特に影響を受けているのは Aspres-Massiv(アスプレス山塊)だ。多くの家族が慌てて家を離れ、ある者は小さなバッグだけを持って自宅が無事であることを願うのみだった。今のところいつ戻れるか誰にもわからない。
約700人の消防士が約200台の車両と消火飛行機やヘリコプターを使って火と戦っている。彼らの活動は風と時間との競争に等しい。一陣の突風が数分で状況を変えてしまう。まさにそれがこの山火事を予測不能なものにしている。
ガール県でも炎が襲った。Lédenon(レデノン)付近では540ヘクタール以上が焼失した。夜までにようやく火の制圧に成功した。それ以前には高速道路A9が一時的に通行止めとなり、複数の住宅が被害を受けた。
ツール・ド・フランスもこの災害の影響を免れなかった。第3ステージは開催されるものの、フランス国内では観客なしで行われる。決定により救助隊に通行の余地が与えられ、この1分1秒を争う地域で追加的な負担を防ぐことになる。
今、懸念は天候の推移に向けられている。高温、乾燥、風が続く限り、さらなる大規模火災の危険はほとんど薄れないだろう。南フランスは改めて、夏の楽園がいかに速く悪夢へと変わり得るかを体験している。
執筆:C. Hatty